(超基礎編-10)、どうして日本人女性だけが鉄不足になるのか
穀物を精製すると、胚芽にあるビタミン、ミネラルが削ぎ落とされてしまう。
精製糖質の摂取量が増大した1900年代初頭には世界各国でそれに伴う栄養障害が顕著となった。
アメリカ合衆国の対応。
1900年代前半、鉄欠乏性貧血、ナイアシン不足によるペラグラが頻発した。
トウモロコシを多食する南部では、ペラグラによる多数の死者が出た。
(ペラグラの臨床症状は、統合失調症とほぼ同じで区別が付かない)
1942年、アメリが合衆国政府は、国内で流通する全ての小麦粉に、B1、B2、ナイアシン、鉄、(そして確か葉酸も)、を加えることを義務付けた。
その後、アメリカ国内ではペラグラによる死者は皆無となり、鉄欠乏性貧血患者も激減した。
アメリカ以外の国でも、イギリス、カナダ、タイ、スリランカなどの国では小麦粉に鉄を入れている。
小麦粉に限らず、メキシコではトウモロコシ粉、モロッコでは塩、フィリピンでは米、中国では醤油、東南アジア諸国ではナンプラーに鉄が入っている。
一方、日本ではそのような対策は全く取られていない。
アメリカから輸入される小麦にも鉄やビタミンは全く添加されていない。
また、昔に比べ日本人の鉄の摂取量自体も減少している。
1)レバーや鯨肉を食べなくなった。
2)ほうれん草など野菜に含まれる鉄分が激減している。
3)ヒジキ煮、切り干し大根の鉄分が激減(鉄鍋、鉄の包丁を使わなくなったため)。
4)家庭での調理器具、たとえば鍋、やかん、フラパン、包丁などのほとんどで、鉄製品は使われなくなった。
トリファラスキーの世界
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