池江璃花子さんの白血病
https://www.facebook.com/100000505175335/posts/3084059341620875?sfns=mo
のニュース、いろいろな意味で衝撃的だった。自分にとって白血病の問題はひっかかりを感じ続けながら放置していたからだ。白血病の闘病をしている子どもたちにも何人にも会った。小さな体で重い負担を抱えた子どもたちに僕は何も声をかけてあげることもできなかった。そして現在も日頃、目にする情報でも子どもの白血病という言葉は頻繁に出てくる。だけど、そのことにはこれまで十分、言及できなかった。しっかり、理解できていないことに言及することも難しい。白血病とかリンパ腫などの区分を理解するにも知識が足りなすぎる。でも不十分なりにわかる範囲で考える必要があると思う。以下のことは池江さんのケースとは切り離して、今、得られる情報から考えてみた。ご本人の回復を祈りつつ、なぜ、若い人が白血病になるのか、考える必要が今、あると思う。不十分な表現にはお許しを。
白血病などのガンは自然になる病気ではない。もっとも、「ガン細胞は自然に生まれる。だからガンになるのは自然なこと」、などと言われるかもしれないが、一方で人間の体にはガン化する細胞に対応する免疫機構もある。なぜ、それが働かなくなってガンになってしまうのか、子どもや若い人たちがそのような苦しみを負わせられる事態はなぜ生まれているのか。
白血病が生まれる要因は多数考えられるだろうが、米国では子どもの白血病の増加と農薬の関係が指摘されている。特にモンサントの農薬グリホサート(商品名ラウンドアップ)は腸内細菌を損ない、白血病を引き起こす可能性があると米国の著名な小児科医のMichelle Perroが論文をまとめている(1)。子どもが農薬に汚染されなくとも、父親、母親が妊娠前に農薬にさらされていることで、子どもの白血病の危険を高めるとも1999年に発表された論文で指摘されている(2)。
グリホサートは1974年以降世界でモンサントが販売してきたが、1996年の遺伝子組み換え農業の開始によって使用量が急増し、これまで使われた量の7割はこの10年に使用されたといわれている。1996年より前に成人した人はそうした物質に曝されることがあまりなく、免疫を完成させることができたはずだ。でもその後に生まれてきた子どもたちはそうした物質により多く曝されながら育ってきている。そのことが子どもたちにアレルギーや白血病が増える原因となる可能性は十分あるのではないだろうか? もちろん断定はできずさらなる研究が必要であることは間違いない。でもそのような研究にはなかなか予算が付かない。しかし、既存の研究からどんなメカニズムで病気になりうるかは見当が付く。
腸内細菌を傷めるものとしては他にグリホサート以外の農薬、遺伝子組み換えトウモロコシなどに含まれるBt毒素、さらには防腐剤や、抗生物質、殺菌剤、さらには放射性物質なども考えられるだろう。腸内細菌を損なう物質が溢れてきている現状は、新たに生まれてくる生命だけでなく、すべてにとって危険が考えられる。年齢に関わらず、腸内細菌はそうした物質に曝されるから。
一方、有機食を食べることで、こうした危険を有意に下げることができる。昨年発表されたフランスの研究では有機食を食べる人の発ガン率はガン全体で25%低く、特に非ホドキンリンパ腫にいたっては86%も低くなるという(3)。そして、有機食を6日食べることで、尿の中の農薬残留濃度は6割下げることができるという米国の研究も発表されている(4)。
消費者の選択肢として有機を、という声はますます世界で高まっている。もっとも日本ではその逆の情報が記事になる(5)。しかし、海外での動きを見る限り、そのような情報をまともに扱う向きは低いと思わざるをえない。日本では逆の情報ばかりが広められる。でも、情報操作で事実をねじ曲げるのはそう長く続かないと思う。しかし、世界では有機市場が急速に広がる中、日本ではなかなか広がらない。
子どもたちの未来を考える時に何をすべきか、本当にこの日本でこそ考えなければならないのではないだろうか?
(1) Childhood Leukemia, the Microbiome, and Glyphosate: A Doctor’s Perspective
https://www.gmoscience.org/childhood-leukemia-the-microbiome-and-glyphosate-a-doctors-perspective/
(2) Preconceptional paternal exposure to pesticides and increased risk of childhood leukaemia
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(05)70586-9/fulltext
(3) Association of Frequency of Organic Food Consumption With Cancer Risk
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2707948
(4) Organic diet intervention significantly reduces urinary pesticide levels in U.S. children and adults
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0013935119300246
(5) 松永 和紀 https://twitter.com/waki1711/status/1095017972551176193
トリファラスキーの世界
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