(超基礎編ー20)、現在の臨床医学の”科学的に見える検証法”が全く科学的でない
薬の臨床試験は、ある疾患(症状)1つに対して1つの薬の効果を検証するもの。
例えば、降圧作用について、Aという新薬が、Bという従来からある薬と比べて、どちらが有効かつ安全かという試験。
臨床治験においては最近では、Aという新薬とプラセボ(偽薬)との比較試験が行われている。
当然ながら1つの薬の効果を検証するわけなので、複数の薬を同時に投与するわけにはいかない。
そうすれば、どちらの薬が効いたのかわからなくなるので当然だ。
しかし一見科学的に見えるこの検証法は根本的に間違っている。
1)症状を起こした原因に言及せず、対症療法に終始していること。
例えば、なぜ血圧が上昇したかについては全く言及がない。
2)食事内容への言及がないこと。
肉ばかり食べる人と、米ばかり食べる人では反応に差が出てくるのは当然のはずだが、薬の臨床試験ではこれを完全に無視している。
しかし、現在の臨床医学では、この”科学的似見える検証法”が正しいと信じ切っている。
先日話題に出した、統合失調症に対する活性型B6の臨床試験。
これも、”科学的に見える検証法”だが全く科学的ではない。
1)食事内容への言及が全くない。
高タンパク/低糖質食だけでも統合失調症は改善するはず。
2)B6が足りないのなら他のビタミンB群、他のビタミン類も足りていないと考えるのが普通だろう。
しかし、複数の栄養素を同時に投与することは臨床試験のルールに反してしまうことになる。
栄養素は、単独で不足しているのではなく、すべてが不足している。
すなわち、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルが全て不足している。
統合失調症治療のところで述べた、高タンパク/低糖質食+鉄+ナイアシン+C+B50+亜鉛による治療。
これは代表的な栄養素のみを記したもので、当然、A、D、E、マグネシウム、セレン、クロム、マンガン、なども加えた方がより良い。
栄養については全てが満たされると改善する。
逆に、1つでも満たされないと改善しない。
1つだけの薬の効果を検証する臨床試験とは根本的にパラダイムが異なる。
必要な栄養素が足りなくなると病気を発症する。
すなわち、「治療においては不足した栄養素を十分量加えることが必要」と述べる三石先生やホッファー博士の方法論は合理的で科学的である。
全ての慢性疾患は、質的な栄養失調が原因なのだから、病気が進行して後戻りできなくなる前に、急いでこれを行うべきであろう。
トリファラスキーの世界
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