ボスウェリアセラータ

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ボスウェリアセラータ


ボスウェリアセラータは、カンラン科ボスウェリア属の植物で、古代より祭壇や寺院、瞑想など神聖な場で使われてきました。呼吸を深くゆっくりとする働きがあり、リラックス効果や美容ではシワの予防、関節痛の症状緩和などの効果が期待できます。

ボスウェリアセラータの健康効果
◎リラックス効果
◎美肌効果
◎集中力を高める効果
◎喘息を予防する効果
◎関節痛の症状を緩和する効果
目次
ボスウェリアセラータとは
●基本情報
ボスウェリアセラータはアラビアからインドに自生するカンラン科ボスウェリア属の植物です。古くからインドの伝統医療であるアーユルヴェーダ[※1]で利用されており、樹皮から採取した樹脂から水蒸気蒸溜法によって精油を抽出します。この精油は無色~黄色みを帯びた色をしています。ボスウェリアセラータは別名オリバナムとも呼ばれており、これはラテン語の「オレウム・リバヌム」(レバノン産の油)が由来だといわれています。また、英名であるフランキンセンスは「真の香」を意味する中世のフランス語が由来だといわれています。
●ボスウェリアセラータの歴史
ボスウェリアセラータは、キリストの生誕の際に東方の三賢者が黄金とミルラ[※2]と一緒に持ち、ベツレヘムへ旅立ったとされています。これが現在のクリスマスプレゼントの起源だと伝えられています。ボスウェリアセラータは古代より祭壇や寺院などの神聖な場でたかれていました。ボスウェリアセラータには呼吸を深く穏やかにする効果があるため、祭壇での祈りや瞑想の際に使われていたと考えられます。これは現在でもいくつかの宗教で伝統的に使用されています。さらに、エジプト人は遺体の防腐保蔵にも用いたといわれています。ボスウェリアセラータは、古代では高価で貴重なものだったことから供物としても多く利用されてきました。そのため、ヘブライ人やエジプト人は、フェニキア人からボスウェリアセラータを輸入するために多額の資金を費やしたといわれています。この他にも若返りのためのパックとして化粧品や炎症を抑える医薬品、香料などにも活用されていました。
しかしながら、近年では良質のボスウェリアセラータを入手することが難しくなってきています。これは干ばつにより、ボスウェリアセラータの樹の原産地の周辺地域にまで砂漠が広がってきたことが原因といわれています。
●ボスウェリアセラータの主成分と働き
ボスウェリアセラータには有効成分としてボスウェリア酸が含まれています。ボスウェリア酸は、気管支喘息やアレルギーの反応、炎症反応の維持に関与するロイコトリエンの合成を阻害し、ロイコトリエンの合成を促す酵素である5-リポキシゲナーゼの活性を抑制することで抗炎症作用を発揮します。また、免疫の調節作用やアナフィラキシー[※3]抑制作用、細胞の増殖作用があります。さらに、関節の軟骨を構成するグリコサミノグリカンの分解を抑制する働きも持っています。そのほかにもピネン、ボルネオール、ベルベリン、ベルベノール、オリバノールなどが含まれています。
[※1:アーユルヴェーダとは、インドで古くから語り継がれている東洋医学の1つです。「予防医学」の考え方を重視し、世界保健機構(WHO)が正式に奨励している医学です。]
[※2:ミルラとは、没薬(もつやく)ともいわれ、フウロソウ目カンラン科コンミフォラ属の樹木の樹脂のことです。]
[※3:アナフィラキシーとは、特定の起因物質により生じた全身性のアレルギー反応のことを指します。重症になると血圧低下を伴うアナフィラキシーショックという危険な状態になり、死にいたることがあります。]  
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ボスウェリアセラータの効果
●リラックス効果
ボスウェリアセラータには、ストレスにより浅くなっている呼吸を深くゆっくりとした呼吸に導く効果があります。また、呼吸を深くすると脳の痛み中枢に働きかけ、痛みをやわらげる効果も期待できます。痛みが激しい時は呼吸が浅くなっていることが多く、意識的に呼吸を深くすることで痛みをやわらげることができます。そのため、ボスウェリアセラータの芳香浴にプラスして深呼吸や腹式呼吸を合わせて行うと効果的です。また、古代で悪霊を払うために使われ、過去とのつながりを断つために役立つとされており、現在でも、過去の出来事を引きずり、くよくよと考える傾向がある方に役立つと考えられます。
●美肌効果
ボスウェリアセラータはシワの予防効果があります。ボスウェリアセラータは老化した肌に新たな活性を与え、この収れん作用[※4]から皮脂[※5]の分泌のバランスを調節してくれます。アンチエイジングの化粧品にもよく配合されており、年齢とともに起こるシミやシワなどが気になる方におすすめの成分です。【1】
●集中力を高める効果
ボスウェリアセラータには集中力を高める効果があります。ボスウェリアセラータの香りを吸い込むことで雑念を払い、意識をコントロールできることから古代より瞑想をする際に使われてきました。
●喘息を予防する効果
ボスウェリアセラータは粘膜に対してよいとされています。特に肺の殺菌消毒に大変効果的です。息切れや鼻風邪を緩和させる働きがあるため喘息や気管支炎、咳や咽頭炎の緩和にも力を発揮します。ボスウェリアセラータは吸入やマッサージ、沐浴などでよく使用されます。マッサージでは、喘息の症状がある場合、胸部がしめつけられるように収縮することがあるため、ボスウェリアセラータを用いて胸部を開かせるようにマッサージをするととても有効です。気管支喘息の患者80名を対象に1日に900mgのボスウェリアセラータを投与したところ寛解率[※6]が70%であったという報告がされています。【2】
●関節痛の症状を緩和する効果
ボスウェリアセラータには関節痛の症状を緩和する効果があります。ボスウェリアセラータの抽出物はグルコサミノグリカンという関節や皮膚の柔軟にし、水分を強力につかまえ保つ働きをする成分の分解を抑制します。この働きにより軟骨を保護し、関節痛の症状を緩和してくれます。変形性膝関節症の患者75名を対象に100mgまたは250mgのボスウェリア製剤を90日間投与した研究によると、疼痛や関節症状の改善が認められたという結果が報告されています。また投与を250mg行ったグループでは投与開始の7日後から改善が見られたという結果も出ています。【3】
[※4:収れん作用とは、縮こませたり、引き締めたりする働きを指します。]
[※5:皮脂とは、皮脂腺から毛や表皮の表面に分泌される分泌物です。]
[※6:寛解率とは、症状が一時的に軽くなったり,消えたりする状態のことです。]  
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ボスウェリアセラータは食品やサプリメントで摂取できます
こんな方におすすめ
○心を落ち着かせたい方
○ストレスをやわらげたい方
○肌のハリや弾力を保ちたい方
○集中力を向上させたい方
○アレルギー症状を緩和したい方
○鼻づまりの方
○関節痛を緩和したい方
ボスウェリアセラータの研究情報
【1】女性被験者15名を対象に、ボスウェリアセラータ抽出物を30日間塗布したところ、皮膚の光老化傷害が軽減されたことから、ボスウェリアセラータは皮膚保護作用を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20136919
【2】気管支喘息患者40名を対象に、ボスウェリアセラータ抽出物を1日あたり900mg の量で6週間摂取させたところ、喘息症状が緩和されたことから、ボスウェリアセラータは喘息予防効果が持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9810030
【3】変形性膝関節症患者30名を対象に、ボスウェリアセラータ抽出物を8週間摂取させたところ、膝関節症症状が緩和されたことから、ボスウェリアセラータは関節炎症状の予防に役立つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12622457
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参考文献
・蒲原聖可 サプリメント事典 平凡社
・林真一郎 アロマテラピーの事典 東京堂出版
・田中平三、門脇孝、篠塚和正、清水俊雄、山田和彦、石川広己、東洋彰宏 
・健康食品・サプリメント〔成分〕のすべて-ナチュラルメディシンデータベース- 株式会社同文書院
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