(超基礎編-9)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼは確率的親和力の個体差がある

(超基礎編-9)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼは確率的親和力の個体差がある


確率的親和力とは;
三石理論の根幹をなす理論の一つ。
遺伝子が違えば、顔や体型が異なるのと同じように、代謝酵素の立体構造が異なります。
器質、代謝酵素、補酵素の3者が揃えば反応が進みます。
しかし、代謝酵素と補酵素であるビタミンの結合部が人によって形が異なります。
形が良ければ100%結合して代謝がスムーズに行く(確率的親和力=1)。
形が少し悪ければ2回に1回しか結合できない(確率的親和力=0.5)。
形が悪ければ10回に1回しか結合できず代謝が滞る(確率的親和力=0.1)。
すなわちこのような場合には、補酵素の濃度を10倍にすれば代謝がスムーズに行くという理論です(パーフェクトコーディング理論)。
三石先生は著書の中で、生命の根幹に関する低分子の代謝酵素には確率的親和力の違いは起こりにくい。
一方、高分子の化合物の代謝酵素には確率的親和力の違いが起こりやすい、と述べられています。
しかし自分の意見では、生命の根幹に関するピルビン酸デヒドロゲナーゼゼは確率的親和力の個体差があるとする考え方をしています。
嫌気性解糖;グルコース→ピルビン酸→乳酸
好気性解糖;グルコース→ピルビン酸→アセチルCoA→ミトコンドリア(クエン酸回路+電子伝達系)
ピルビン酸でヒドロゲナーゼは、ピルビン酸をアセチルCoAに変換する酵素です。
補酵素として、B1、B2、B3、B5、αリポ酸が必要。
特に最初の反応の補酵素であるB1は最重要。
先日紹介した、日本陸軍の脚気の話。
日露戦争当時、陸軍は白米を食べさせていたため、B1不足による脚気患者が大量に発生した。
しかし、全員が脚気になったわけではない。
1)脚気を発症しなかった人、2)脚気になったが生存できた人、3)脚気で死亡した人、に分類される。
つまり、脚気になりやすい遺伝的弱点を抱えていた人もいるし、そういう遺伝的弱点を抱えていなかった人もいる、という個体差があることを示している。
すなわち、ピルビン酸デヒドロゲナーゼとB1の確率的親和力の個体差がある、という結論になる。
治療は当然ながら、
1)精製糖質を極力控える。
2)通常の食事では1mg程度しか摂取できないB1を、B50コンプレックス、ベンフォチアミンで補給する。B50コンプレックス2錠で100mgのB1。

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